Life Style Concierge の プライベート版
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ウォルター・クレイン 「シェイクスピアの花園」 夏の夜の夢

•*¨*•.¸¸♥ •*¨*•.¸¸♥夏の夜の夢

だが私はキューピッドの矢が落ちた先をしっかりと見届けた。それは西方に咲く小さな花の上に落ち、それまでは乳白色の花が矢から受けた恋の傷で今では深紅の花に変わってしまった。乙女らはそれを徒なる花と呼んでいる。)

Yet mark'd I where the bolt of Cupid fell:
It fell upon a little western flower,
Before milk-white, now purple with love's wound,
And maidens call it love-in-idleness.
A Midsummer Night's Dream (2.1)

Walter Crane Shakespeares Garden Midsummer Nights

楡とアイビー


The female ivy so Enrings the barky fingers of the elm.
A Midsummer Night's Dream (4.2)

ご存知のように「夏の夜の夢」といえばロバの頭ですよね!パックの悪戯で、ロバの頭にすげかえられた職人を熱愛する妖精の女王タイターニア。

タイターニアはラブ・イン・アイドルネス(パンジー)の「徒なる恋」の媚薬のため、ロバの頭の彼にありったけの情熱を込めて「楡の木を蔦が蔓で固く抱きしめているわ。」と囁いているのです。

Shakespeares Garden by Walter Crane, With sweet musk roses. 1906

「ムスク・ローズ」(麝香薔薇)


立麝香草が咲く堤を知っている。そこには九輪草とが生い茂り、菫は風にうなずいている。甘い香りの忍冬や、香りの高い麝香薔薇、野茨(エグランタイン)が重なり合った甘美な天蓋の下で、夜のひとときタイターニアは眠るのだ。

I know a bank where the wild thyme blows,
Where oxlips and the nodding violet grows,
Quite over-canopied with luscious woodbine,
With sweet musk-roses and with eglantine:
There sleeps Titania sometime of the night,
Lull'd in these flowers with dances and delight.
A Midsummer Night's Dream (2.1)

妖精の女王タイターニアが、甘美な天蓋の下で眠るとき、フェリックス・メンデルスゾーン(Jakob Ludwig Felix Mendelssohn)は、そのララバイの詩「舌先裂けたまだら蛇」にも曲をつけました。

メンデルスゾーンの演奏会用序曲(作品21)及び劇付随音楽(作品61) はシェイクスピアの「夏の夜の夢」です。劇音楽「真夏の夜の夢」Op. 61 (A Midsummer Night's Dream, Op. 61)は、1.スケルツォ、2.情景と妖精の行進、3.歌と合唱「舌先裂けたまだら蛇」、4.情景(メロドラマ)、5.間奏曲、6.情景(メロドラマ)、7.夜想曲、8.情景(メロドラマ)、9.結婚行進曲、10.情景(メロドラマ)と葬送行進曲、11.ベルガマスク舞曲、12.情景と終曲の12曲の劇付随音楽です。

Flowers from Shakespeares garden

「ムスク・ローズ」(麝香薔薇)と「エグランタイン」(野茨)


舌先裂けたまだら蛇 (You spotted snakes)

You spotted snakes with double tongue,Thorny hedgehogs,be not seen;
Newts and blind-worms,do no wrong,Come not near our fairy queen.

Philomel,with melody Sing in our sweet lullaby;Lulla,lulla,lullaby,lulla,lulla,lullaby:Never harm,Nor spell nor charm,Come our lovely lady nigh;So,good night,with lullaby.

Weaving spiders,come not here;Hence,you long-legg'd spinners,hence!Beetles black,approach not near;Worm nor snail, do no offence.

メンデルスゾーンは最終行に繰り返しを加えています。

Philomel, with melody...

舌先裂けたまだら蛇の最終行は、坪内逍遥の翻訳で妙音鳥(フィロメル)と当て字されています。シェイクスピアのソネット集102番にも登場します。

フィロメルはフランス語で、ナイチンゲール(小夜啼鳥)のこと。オウィディウスの「変身物語」でピロメラ(フィロメラ)が鳥に変えられたお話。ギリシア神話ではナイチンゲール(小夜啼鳥)に変えられたとあります。姉プロクネーの夫トラーキア王テーレウスに陵辱されたピロメーラーは舌を切られ、事の次第をタペストリーに織り込み姉に報せます。プロクネーは復讐のため王との子イテュスを殺し、王の晩餐に差し出します。王は逃亡した二人の姉妹を追いますが、神は3人を鳥に変身させます。テーレウスを戴勝に、プロクネーを燕に、そしてピロメラをナイチンゲール(小夜啼鳥)に。

舌先裂けたまだら蛇
メンデルスゾーンの劇音楽「真夏の夜の夢」Op. 61

舌の裂けた斑の蛇。来れば厄介、針鼠。
イモリや蝙蝠、足なし蜥蜴よ、悪戯をするな。女王さまに近づくな。

妙音鳥よ、美しく歌え子守唄。ララ ララ ララバイ ララ ララ ララバイ
恙よ、呪文よ、魔力よ、触れるな、寄るな、女王様に。

糸巻く蜘蛛よ、遠ざかれ、脚長蜘蛛よ、飛んでいけ。
黄金虫よ、毛蟲よ、蛞蝓よ、悪戯をするな。女王さまに近づくな。



「ワイルドタイム(立麝香草)」と「ウッドバイン(忍冬)」


「シェイクスピアの花園」の中で「夏の夜の夢」のイラストが一番好きです。学生時代にシェイクスピアが英語の副読本だったsaiとaleiが、英文学者の中野好夫さんのお孫さんで、中野春夫さんのテキストが載っている「シェイクスピアハンドブック」を以前に借りたことがあったのですが、中野春夫さん(学習院大学教授)がシェイクスピアの「植物」について書いていました。

引用と要約
パンジーは恋の花で、「夏の夜の夢」でも「徒らな恋」に用いられている。シェイクスピアはこのパンジーにギリシャ神話と処女王エリザベス礼賛に由来する付加価値を与えた。妖精オーベロンいわく、キューピッドはエリザベスに黄金の矢を放ったが、彼女の敬虔と貞節で矢はそれて落ちたところにパンジーが誕生した。ゆえにパンジーはキューピッドの花でその解毒剤が「ダイアナの花」。処女神「ダイアナに模されているエリザベスを対比している。〜なるほど〜

ハムレットでは「パンジー」はフランス語の「パンセ」(思考)から紐解かれますが、作品によって同じ花でもひとひねりしているわけなんですね。

ほかにはこんな台詞も。

そのように情欲を抑え、処女のまま清らかな巡礼をする者は、大いに祝福される。だが、俗世間では人に摘み取られることなく、ただ独りの生い立ち、生きて、枯れ死んでいく薔薇に比べたら、摘み取られて香水の香りを残す薔薇こそ幸せなのだ。

Thrice-blessed they that master so their blood,
To undergo such maiden pilgrimage;
But earthlier happy is the rose distill'd.
Than that which withering on the virgin thorn
Grows, lives and dies in single blessedness
A Midsummer Night's Dream (1.1)

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